コート・プライオメトリクス

プライオメトリクストレーニングとは

プライオメトリクスは、スピードを出すための筋力や1回で大きな力を発揮する能力など、様々な運動機能を向上させるためのトレーニングです。

相手の打球に素早く反応してボールを追いかけ、ボールに追いついたら素早くラケットをスイングしてボールを打ち返すテニスにとっては必要不可欠な能力ですよね。

この素早く動き、大きな力を発揮するための能力は、体の中にあるバネをうまく使うようトレーニングすることで身につけられます。

体の中にあるバネは、筋肉や腱(アキレス腱など)のことです。

筋肉や腱がバネのように伸び縮みすることで、力を貯める⇨一気に力を放出する能力を上げるトレーニングがプライとメトリクス。

伸張ー短縮サイクルと呼ばれていて、別名SSC(=ストレッチショートニングサイクル)と言われます。

このSSCの能力を上げることがテニスのパフォーマンスアップにつながり、今まで打ち返せなかった打球を返球できたり、力強いボールを打つのにつながります。

RPSパーソナルテニスのプライベートレッスンでは、プライオメトリクストレーニングをテニスコートでも行い、より実戦に近い形で機能を上げるようトレーニングプログラムを組んでいます。

テニスにおけるプライオメトリクスの目的と効果

テニスにおけるプライオメトリクストレーニングの目的は、主に以下であると考えています。

テニスにおけるプライオメトリクスの目的と効果
  • ストロークの強化
  • サーブスピードアップ
  • 素早い切り返し
  • エネルギーのエコ消費
  • 怪我の予防

ストロークの強化

プライオメトリクストレーニングによって、様々な観点からストロークの強化が望めると考えています。

ストロークでは、状況に応じてスピンの量と弾道を変えたり、ボールのスピードを調整したりしてミスしないようにします。

ただ、ミスをしないことも重要ですが、ボールスピード上げたいですよね。

特に、テニスを楽しみながら上手くなりたい方にとって、速いショットで相手の後ろを抜くのは、テニスをしている方であれば誰しも望んでいることなのではないでしょうか。

そのためには、お話したSSCという体のバネの使い方がとても大事。

相手の打球に素早く追いつき、全身を使って力を溜め、一気に力を放出できれば力強くて速いショットが打てるようになります。

いくらテニスの練習を頑張ったところで、そもそもの体の使い方がうまくいっていないのであれば、ショットが速くなるのは難しいのではないでしょうか。

また、人間の体はある程度の負荷をかけなければ適応しませんので、これもテニスの練習だけやっていてもボールスピードが上がりづらい理由の一つです。

ストロークで打つボールのスピードを上げて相手の後ろを抜きたい方は、プライオメトリクストレーニングの実施がオススメです。

サーブスピードアップ

プライオメトリクストレーニングの実施で、サーブスピードアップが期待できます。

プライオメトリクストレーニングは上半身や下半身、全身に分けてトレーニングでき、サーブの強化では下半身〜上半身への連動性を意識した全身のトレーニングメニューがオススメ。

全身の連動性を意識したトレーニングで、脱力⇨出力の大きな力を発揮できるようになります。

サーブも筋肉の伸び縮みを使う局面が多く、特に難しいショットの1つ。

例えば、トスアップ前にガチガチに力が入っていては力の入れどころがわからず、インパクトの瞬間にボールにうまく力を伝えられません。

プライオメトリクストレーニングでOFF⇨ONで力の入れ方を覚えられると、サーブのスピードアップが期待できます。

素早く切り返す能力の向上

テニスは下半身がポイントです。

ストロークやボレーなどのラリーでは、相手の打球に素早く反応して早く自分の打ちやすい打点に入ることができれば、相手よりも優位にラリーを進めることができます。

足を接地してから地面を素早く蹴って足のステップを入れ、切り返すまでの時間を短くすることができれば、より早く打点に入っていつも良いボールを打ち込むことができるようになります。

結果として、自分の打ちたい打点でボールを捉えることができるので、力強いショットを打つことができ、いつも気持ち良く強いボールを打てるんです。

これは準備が早いのと同じ。

自分から打つ気持ちの良いテニスをするためには、足のステップとそこに追いつくまでの素早い切り返しが重要なのです。

その能力をプライオメトリクストレーニングと俊敏性を鍛えるトレーニングで獲得できます。

エネルギーのエコ消費

長くラリーができると楽しいですよね。

テニスは1、2球だけでラリーが終わる場合もありますが、基本的には長く続きます。

ただ、10球も20球もラリーが続くと息が上がってきます。

心肺機能も必要ですが、それ以前に効率良く動けていますか?

効率良く動けていなければ、いくら心肺機能が高くても早くバテてしまい、ラリーが続かないか自分の思うように打てません。

バテながらもラリーが続くのは、テニスの楽しみの一つでもありますが、どうせなら長くラリーが続いている間、気持ちよくかっこいいフォームで打ち続けたいですよね。

プライオメトリクストレーニングでは、大きな力を発揮するために筋肉や腱の伸び縮みを利用します。

グッと力を入れて溜め込むというより、反発を利用するような能力になりますので、うまく使えるようになるとエコな体の使い方ができるようになります。

いわゆる無駄な力を入れずに動き、要所要所で力を入れて効率良く打ち返せる能力が身に付くというわけです。

テニスレベル問わず、楽に効率良く動いてボールを打つには、プライオメトリクストレーニングでバネの使い方を覚えていくのがオススメです。

怪我の予防

プライオメトリクストレーニングは、怪我の予防につながる可能性もあります。

プライオメトリクストレーニングを実施する過程で、ジャンプや着地のスキルを身につけます。

具体的には、膝や足首、股関節に過度な負担のかからない着地スキルや、テニス中の急激な方向転換に必要な着地時の筋肉の硬さ(スティフネスと言います)を鍛えることができます。

特に、素早い切り返しの前の減速や、切り返すために足で踏ん張って止まるためのメインとなる筋肉と、反対の働きをする筋肉が一緒に働くことが、怪我の予防につながります。

アキレス腱の断裂や肉離れなどの怪我を予防するためには、適切な方向転換のスキルとプライオメトリクストレーニングでの筋肉や腱を強さを手にいれる必要があるのです。

アスリートだから、とかシニアなどは関係なく、その人に適切な強度でトレーニングを実施できれば、怪我の予防にもつながります。

コートでのプライオメトリクスのポイント

プライオメトリクストレーニングは、ジムで行うことが一般的です。

しかし、テニスをする人にとってテニスコートでできるのであれば、その後の練習がより質の高いものになります。

理由は、テニス中の体の動きにリンクさせたトレーニングを行えるから。

例えば、メディシンボールという重いボールを使用したトレーニングは、最近インスタグラムなどでも良く出てきていますよね。

メディシンボール

1kg,3kg,5kgなど様々な重さのボールがあり、体幹を使って一気に力を発揮する動作を覚えるためにはもってこいのトレーニングツールです。

メディシンボールを使い、例えば、ランジという股関節の動きを使うトレーニングと組み合わせたり、実際にストロークするステップを踏みながら、トレーナー側にボールを投げ返すようなトレーニングを行えます。

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このプライオメトリクストレーニングを実施するにあたり、以下のポイントに気をつけて行います。

プライオメトリクスのポイント
  • 必ずウォームアップを実施する
  • 他のトレーニングと併用する
  • テニスの練習前に行う

必ずウォームアップを実施する

トレーニング前に限ったことではありませんが、必ずウォームアップは実施します。

プライオメトリクストレーニングは、ジャンプするような種目が多く、筋肉や靭帯、腱、関節に大きな負担がかかります。

ウォームアップによって筋肉の伸び縮みできる範囲や粘弾性(伸びて元に戻る能力)を上げることで、急激に大きな力が加わっても、怪我せずトレーニングを実施できます。

逆に、ウォームアップを実施しなければ、アキレス腱や太ももの筋肉の怪我(肉離れや腱の断裂)につながる可能性がありますので、必ずウォームアップは実施しましょう。

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効果的なウォームアップメニューについては、こちらの記事をお読みください。

他のトレーニングと併用する

ここまでの内容でお分かりの方も多いかと思いますが、プライオメトリクストレーニングは、体に大きな負荷をかけます。

そのため、最低限の筋力や柔軟性、着地などの動作スキルが必要です。

それらトレーニングを行うための基盤がない状態では、パフォーマンスが上がらないどころか怪我のリスクばかりが上がってしまいます。

例えば、自分の体重の◯倍をスクワットで持ち上げることなど、プライオメトリクスを実施するために様々なガイドラインが設定されているくらい、強度が高いトレーニングです。

RPSパーソナルテニスに通われているお客様は、皆さんジムでのパーソナルトレーニングと並行してプライベートレッスンを行って頂いています。

プライオメトリクストレーニングは、一見華やかなトレーニングに見えますが、それ以前の地道な体づくりが重要なのです。

テニスの練習前に行う

テニスの練習後に行うと、疲労でトレーニング効果が出ない可能性があります。

そのため、RPSパーソナルテニスでは、テニスのレッスン前、ウォームアップ後に行うことがほとんどです。

少しラリーをして伸ばしたい機能を確認してからトレーニングに入る場合もありますが、初期段階以外は基本的に練習前に行います。

足のステップを意識してスイングするテニス中の動作に近い動きを先にトレーニングすることで、ラケットを持った時にも適応できるようにプログラムを組むことがオススメです。

プライオメトリクスの取り入れ方

先ほどの説明の通り、プライオメトリクストレーニングを行う前提として、ある一定以上の筋力や動作を行えることが条件となります。

そのため、ジムでの筋力トレーニングやそもそもの姿勢を改善するためのトレーニングが必要です。

関節の可動域が足りていないのであれば、その根本原因を解決しなければ怪我のリスクが増えますし、姿勢が悪ければ体幹周りの筋肉をいくら鍛えたところで体は安定せず、大きな力は出せません。

そのため、ジムでのパーソナルトレーニングで筋肉や関節、姿勢のアンバランスや動作のパターン、筋力、それらに必要な脳神経機能を鍛えながら、テニスコートでのプライオメトリクストレーニング実施がオススメ。

ただ、テニスが上手くなりたい皆さんは、テニスの練習も必須ですよね。

RPSパーソナルテニスでは、現在ジムに通われていない方でも強度を調整してプライオメトリクストレーニングを実施することもあります。

その場合、注意してトレーニングメニューを調整しながら行いますが、いずれにしてもジムや自宅でのエクササイズ実施でテニスをするための体の基盤をつくることは必須。

そのため、体の状態を客観視してもらえるパーソナルトレーニングがオススメです。

ご興味のある方は、RPSパーソナルテニスのトライアルレッスンにお越しください。

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プライオメトリクス まとめ

プライオメトリクスは、テニスのパフォーマンスを上げたり、怪我を予防するなど、テニスをする全ての人に実施してもらいたいトレーニングの一つです。

バネのように体を使い、ボールのスピードを上げたり、素早く切り返して早く打点に入るように能力を上げることができます。

そんなテニスに関わる大事なトレーニングは、体に大きな負荷がかかるため、ジムでのトレーニングや自宅でのケアによってトレーニングできる体の状態にしておく必要があります。

ある人は筋力が必要な場合もありますし、そもそも姿勢が崩れていたり柔軟性が不足しているのであれば、先にそちらを対処しなければなりません。

RPSパーソナルテニスでは、テニスに必要なあらゆる能力を上げるためのジムでのプライオメトリクスを含めたパーソナルトレーニングと、並行して能力上げながら行うプライベートレッスンを行っています。

ただ単にスキルアップを目指すだけでなく、一生動けて上手くなるサービスがウリです。

ご興味のある方は、是非トライアルレッスンへお越しください。