瞬発力は、瞬間的に発揮する最大の力です。
瞬発力をトレーニングすることで、テニスプレー中の切り返しやボールスピートアップに役立ちます。
テニスは、相手の打球に反応し、素早くボールを追いかけなければなりません。
早くボールの落下地点に到達できる方が、自分の打ちやすい打点で打てるため、ラリーでもゲームでも有利に進めることができますよね。
また、ラリーを長く続けて楽しむためにも、できるだけ相手の打球に追いついて返球できなければなりませんよね。
そのために瞬発力が必要となるのです。
瞬発力は、もちろんテニスをプレーする中で培われるものもありますが、ジムでトレーニングを実施し、基礎的な筋力や動作のスキルを身につけてから、テニスに臨んだ方が上達も早いでしょう。
本記事では、RPSパーソナルテニスのジムで行う瞬発力トレーニングの目的と、テニスパフォーマンスへの効果についてお伝えしていきます。
テニスの瞬発力トレーニングの目的
テニスの瞬発力トレーニングの目的は、爆発的な力を発揮することにあります。
テニスでは、相手のボールに反応して素早く動き、力強く打ち返すことが一つの醍醐味でもありますよね。
テニスに関わる、走る・打つといった瞬間的な力(パワー)を高めるためのトレーニングが瞬発力トレーニングというわけです。
ジムでの瞬発力トレーニングは、以下のように分けて実施できます。
- 上半身の瞬発力トレーニング
- 下半身の瞬発力トレーニング
- 全身の瞬発力トレーニング
上半身の瞬発力トレーニングでは、爆発的に行うプッシュ(前に押し出す動き)やプル(引く)動きを習得するために行います。
これは、腕立て伏せやメディシンボール(2~3kgの重いボール)を使用して実施しています。
対して、下半身の瞬発力トレーニングでは、重りを使ったウエイトトレーニングを応用したり、高さのあるボックスを飛び越えたり、飛び乗るトレーニングを行います。
全身の瞬発力トレーニングと複合して行われることも多いのが特徴です。
また、上半身と下半身の動きを組み合わせた全身の瞬発力トレーニングも行います。
よりテニスの動きに近くはなりますが、コートで行うようなステップを踏みながらメディシンボールを投げる、といったテニスの動きを模倣したトレーニング以外の内容を行うことが多いです。
ジムでの瞬発力トレーニングの目的
テニスコートでも瞬発力を鍛えるトレーニングは行えますが、ジムで行うことにはいくつかのメリットと目的があります。
テニスのための瞬発力トレーニングは、以下の目的をもってジムでも実施します。
- 基本的な体の使い方の習得
- 力を発揮するタイミングの獲得
- コートで実施するトレーニングでの怪我の予防
このどれもがテニスのパフォーマンスアップにも怪我の予防に大きく関わっています。
基本的な体の使い方の習得
基本的な体の使い方の習得とは、例えば、ダッシュ時の足の接地や止まってから切り返す時の足の向き、などです。
瞬発力トレーニングは、スクワットやデッドリフトといった全身の基本的なトレーニングで体の使い方を習得してからチャレンジした方が良いトレーニングです。
基本的な体の動きを使い、ジャンプ後の着地や切り返し動作に応用しながら、大きな力を出すための体の使い方を習得することが一つの目的となります。
結果、効率の良く動いて素早く切り替えしたり、ボールを追いかける際の1歩が大きくなることでボールに早く追いつけるようになります。
力を発揮するタイミングの獲得
テニスは、ON・OFFが大事です。
ずっとグリップを強く握っていては、肝心のインパクト時に強い力が発揮できません。
大きな力を発揮する際は、脱力と筋肉や腱の伸び縮みをうまく利用する必要があります。
筋肉や腱が伸びることで力を溜め込むことができ、素早く縮めることで大きな力を発揮することができます。
この「バネ」を使った力を発揮するタイミングの獲得が、ジムでの瞬発力トレーニングの目的の一つです。
適切なタイミングで力を発揮できれば、スイングスピードの向上により、力強く速いショットを打つことができます。
コートで実施するトレーニングでの怪我の予防
ジムでの瞬発力トレーニングは、コートで実施するトレーニングやテニスでの怪我予防につながります。
テニスが上手くなりたいのであれば、テニスの動きに磨きをかけなければなりません。
コート上での瞬発力トレーニングでは、テニスのプレーに近い動きでトレーニングし、体の使い方と紐づけていきます。
そのため、ステップを踏みながらメディシンボール(重いボール)を投げるようなトレーニングをコート上で行います。
しかし、先ほど述べた基本的な体の使い方が習得できていない、効率良い動きが獲得できていない状態でトレーニングやテニスをしても、怪我のリスクが上がるばかり。
その基盤となるのが、基本的な着地、その時の足の向き、タイミングなのです。
ジムでのトレーニングで筋力や筋パワーを上げていきながら、瞬発力トレーニングでバネの使い方を習得することにより、テニスコート上でのハードな動きを行っても、怪我のリスクを減らしながらパフォーマンスアップを目指すことができます。
瞬発力トレーニングとテニスへの効果
ジムでの瞬発力トレーニングでは、テニスに対して様々な効果を期待できます。
具体的には、以下のような効果が期待できます。
- 切り返しが早くなる
- ボールスピードアップ
- コーディネーション能力アップ
切り返しが早くなる
瞬発力トレーニングによって、バネの使い方が変わるため、素早く切り返す能力がアップします。
本来、テニスに限らず瞬発的に動くスポーツでは、足が地面や床に接地してから持ち上がるまでの時間を短くする能力が必要です。
これが、切り返すまでの時間が早いか遅いかの要因となります。
筋肉や腱などが伸びてから縮むまでの時間が短いほど、素早く切り返すことができるのです。
ただし、テニスコートで実践できる瞬発力トレーニングは、強度も難易度も高いメニューが多く、トレーニング初心者の方にはあまりオススメできません。
ジムでのトレーニングで筋力やパワーを上げ、瞬発力トレーニングでジャンプや着地などの基盤をつくってからコートでのトレーニング実施をオススメしています。
ボールスピードアップ
できるだけ速いスピードで強い力を発揮することができるようになれば、ラケットを振るスイングスピードも上がり、自然とボールスピードも上がります。
サーブやストローク、スマッシュなどショットの種類を問わず、ボールスピードが上がりますので、試合では有利に進めることができる可能性もあります。
何より、テニスで速いショットを打つことは、誰しもの目標であり、望んでいることなのではないでしょうか。
ボールスピードアップには、適切なプライとメトリクストレーニングの実施が必要です。
コーディネーション能力アップ
ジムで行う瞬発力トレーニングでは、運動のコーディネーションを鍛えられます。
滑らかな動きやスイングを実現するだけでなく、地面からの反発をうまく上半身、そしてラケットへ伝える能力を上げられますので、ボールスピードアップや素早い動きに良い影響を与えます。
下半身や上半身単体の瞬発力のあと、双方を使用したトレーニングメニューをプログラムに組み込むことで、コーディネーション能力を向上させることができるのです。
力の入れ方がわからない方や、ガチガチに固まりやすい方には特にオススメのトレーニングとなります。
ジムでの瞬発力トレーニングの注意点
ジムでの瞬発力トレーニングは、いくつかの注意点が必要です。
例えば、ウォームアップを行うこと。
筋肉の温度が上がっていない状態は、筋肉が伸び縮みする能力が低いままでトレーニングすることと同様です。
伸び縮みができないカチカチのゴムを無理に引き伸ばそうとすれば、もちろんブチっと切れてしまいます。
人間の体で例えると、肉離れです。
そのため、ウォームアップを行い、筋肉の温度を高めておく必要があるのです。
これは、瞬発力トレーニングに限ったことではありません。
全てのスポーツやトレーニングに共通して言えることですので、意識的に取り入れるようにしてみてください。
以下の記事では、運動前後の全身ストレッチの重要性について書いています。
理解を深めたい方は、立ち寄ってみてください。
ジムでの瞬発力トレーニング まとめ
今回は、ジムでの瞬発力トレーニングについてご紹介しました。
ジムでの瞬発力によって、体のコーディネーション能力や体の使い方を習得することができます。
結果として、テニスプレー中の素早い切り返しや、ボールスピードアップにつながります。
また、テニスコートで行う瞬発力トレーニングに比べて、より体の基本的な使い方にフォーカスしたトレーニングを実施できますので、コートでのテニストレーニングやテニスのプレーそのものに良い影響が出ると考えられます。
それらも筋力トレーニングである程度の筋力、筋パワーと着地などのスキルを持ち合わせていなければ、怪我のリスクが上がります。
適切な負荷で能力を上げていくためには、パーソナルトレーニングがオススメです。
RPSパーソナルテニスでは、体のステージに合わせたトレーニングプログラムとプライベートレッスンを行っております。
ご興味のある方は、是非一度トライアルレッスンへお越しくださいませ。