筋力トレーニング

筋力トレーニングとは

筋力トレーニングの画像

筋力トレーニングとは、ウエイト器具などの重りを用いて体に負荷をかけ、筋肉の量や筋力、パワーを上げるためのトレーニング方法です。

スクワットなどの全身運動から、上半身をメインに鍛えるベンチプレス、ダンベルなどを用いて腕や肩など特定の筋肉を鍛えるトレーニングなど、様々な種目があります。

テニスにおいては、適切な負荷を適切な回数反復して、テニスに関連する筋肉を鍛えるのが目的です。

また、ジムにあるマシンを使ってトレーニングをするのみでは、実際のテニスの動きに近い動作は鍛えられませんので、移動やさまざまな姿勢でのトレーニングが多いです。

筋力が上がると、スイングスピードがあがってボールが速くなり、怪我の予防にまでつながります。

テニスをする皆さんにとって必須のトレーニングが筋力トレーニングというわけです。

筋力トレーニングの目的と体への効果

テニスのために筋力トレーニングを行う理由は様々ですが、最終的な目標はパフォーマンスの向上です。

パフォーマンスの向上には、ただ単に筋力アップというところに留まらず、怪我の予防など様々な効果を期待できます。

RPSパーソナルテニスでは、筋力トレーニングを他のトレーニングと組み合わせ、最大の効果を出せるようにトレーニングプログラムを組んでいます。

その筋力トレーニングの主な目的と一般的な体への効果は、以下となります。

筋力トレーニングの目的と体への効果
  • 筋力、筋パワーの向上
  • ボディバランスの向上
  • スピード能力向上
  • 瞬発力向上

要は、体を強くするということです。

それぞれの項目について説明していきます。

筋力、筋パワーの向上

筋力とは、力を生み出す能力です。

テニスで必要になるのは、最大発揮できる力「最大筋力」。

最大筋力が上がると、今までより重いものを前後左右上下へ移動させることができます。

この筋力は、筋パワーにも影響し、ラケットのヘッドスピードひいてはスイングスピードの向上に必須です。

実際に使うラケットの重さがトレーニングで扱う重さより軽くても、筋パワーには良い影響を与えます。

筋パワーとは、物体をどれだけ速く動かせるかの能力です。

「速度」が加わり、力×速度で表されます。

テニスであればスイングスピードに影響します。

筋パワーが上がることでスイングスピードが上がり、ラケットからボールに伝わる速さや力が上がるため、結果としてボールスピードが上がります。

この筋パワーは最大筋力によって上限が決められるため、最大筋力を上げなければ筋パワーは上がりづらいでしょう。

筋力トレーニングにより、最大筋力と筋パワーを向上すれば、スイングスピード、そしてボールスピードアップが期待できます。

ボディバランスの向上

筋力トレーニングの実施で、同時にボディバランスの向上も期待できます。

ボディバランスとは、いわゆる左右差などの不均衡です。

左右差や不均衡が起きると、動作のパターンが崩れてしまい、テニスのショットがうまく打てないばかりか、痛みや怪我につながる可能性もあります。

ただし、過度な筋力トレーニングは過度な体の緊張を生み出し、結果「腹筋<背筋」のようにボディバランスを崩してしまう要因になりかねないため、実施頻度と体の状態が大事です。

適切なトレーニングプログラムであれば、そこまでバランスが崩れることはありませんが、自己流でトレーニングする場合は注意が必要。

パーソナルトレーニングで現状を把握し、トレーニングを開始することが大変オススメです。

スピード能力向上

走り始めや、途中の加速など、あらゆるスポーツに必要なスピード能力の向上が期待できます。

テニスでは、相手のボールに反応してからすぐに追いかけ、自分の打ちたい打点で打つことが望ましいですよね。

そのためには、ボールを追いかけるための速いスピードが必要。

このスピード能力には、筋力が大きく関わります。

瞬発力向上

スピード能力と共に瞬発力アップも期待できます。

瞬発力もスピード能力同様にあらゆるスポーツで必要な能力です。

特に、テニスでは相手の打球に素早く反応し、素早く動き始める瞬発力が必要です。

反応する速度を上げるトレーニングも必要ですが、反応してから一気に大きな力を発揮するための瞬発力がなければ、すぐに動き出して相手のボールを追いかけることはできません。

その基盤となるのが筋力なのです。

筋力トレーニングによるテニスへの効果

筋力トレーニングを行うことで、先ほどお伝えした筋力アップやボディバランスの向上など、体の様々な機能が向上します。

それらの機能の向上で、テニスには様々な良い効果が期待できます。

筋力トレーニングによるテニスへの効果
  • 怪我の予防、防止
  • テニスのショットへの好影響
  • テニスでのコートリカバー能力の向上

それらが具体的にどんなシチュエーションで役立つのか、どんな効果が期待できるのか一つずつ解説していきます。

怪我の予防、防止

筋力トレーニングを行うと、体にかかる負荷に抵抗する能力が上がり、耐性がつきます。

これは、着地時やラケットをスイングする際の足や股関節周り、背骨などにかかる負荷に抵抗する力が強くなることを意味します。

筋肉や腱(アキレス腱など)にかかる物理的・間接的負担が減少すると、テニス肘やテニス後の腰痛などの痛みの改善にも繋がります。

筋力トレーニングによる怪我の予防、防止への効果
  • テニス肘の予防
  • テニス後の腰痛予防
  • テニス中の膝の痛み予防
  • テニス中の肩や肩甲骨周りの痛みの予防
  • テニス中の股関節の痛みの予防

筋力トレーニングで体の状態を改善することは、テニスや日常生活で起こるほぼ全ての痛みや怪我の予防につながります。

つまり、レベルに関わらず、テニスをする全ての人に筋力トレーニングは必須ということ。

適切な筋力トレーニングを行えば、体にかかる物理的な負担を減少でき、痛みの予防につながります。

注意して頂きたいのが、筋力トレーニングで改善するわけではない、ということです。

今の現状として、痛みが発生しているのであれば、基本的には筋力トレーニングの実施はNGとなります。

痛みが発生しているのであれば、その痛みの原因となる筋肉の使い方、動作パターン、体の過度な緊張状態を改善しなければなりません。

体の状態によって優先順位や、やってOK、NGが変わることを覚えておきましょう。

テニスのショットへの好影響

テニスのショットも少なからず筋力が影響し、適切な筋力トレーニングによって以下のような効果が期待できます。

筋力トレーニングによるテニスのショットへの好影響
  • ストローク、サーブなど各ショットのスピードが上がる
  • 打球が重くなる
  • スイングスピードが上がる
  • ショットが安定する

これらに影響する能力は「筋パワー」です。

これはできるだけ速いスピードでどれくらい強い力を発揮できるか、という能力になります。

ラケットの重さがほぼ一定(300〜400g)であるとするならば、筋力トレーニングによって発揮できる筋力とスピードが上がれば、必然的にラケットに伝わる力は大きくなります。

これはボールスピードアップにつながりますので、ショットのスピードを上げ、強いボールを打つためには、筋パワーを上げる必要があります。

パワーにも種類がありますが、「力(筋力)×スピード」が一般的なパワーの指標です。

そのため、パワーを構成している筋力をトレーニングで上げることが、ショットのスピードアップにつながるのです。

テニスでのコートリカバー能力の向上

筋力が上がことで瞬発力に良い影響が出るため、コートリカバー能力が上がります。

素早く反応して早くボールに追いつける、ということです。

もちろん筋力を上げただけではターンして切り返す動きや、適切に加速したり減速したりする能力を上げることは期待できません。

テニスに必要なボールを追いかけるためのスキルトレーニングと、筋力トレーニングを一緒に行うと効果が増大し、コートリカバー能力は最適なものに近づきます。

スキルトレーニングの基盤に筋力アップが必要だということを認識しておきましょう。

RPSパーソナルテニスで行っているフットワークトレーニングと重要性については、以下の記事でご紹介していますので、是非立ち寄ってみてください。

あわせて読みたい
フットワークトレーニング 【テニスのフットワークトレーニングとは】 テニスは、相手のボールを返球し、1球でも多く相手コートへボールを返すスポーツです。 自分が打ったボールがどこへ飛んで行...

テニスのための筋力トレーニングの頻度

テニスの練習と筋力トレーニングは、適切な頻度と回数行う必要があり、どちらかが偏ってしまうのもNG。

怪我の原因となります。

トレーニングを今まで行っていない方の最初のステップは筋肥大(きんひだい)、すなわち、筋肉を大きくすること。

筋力は、筋肉の横断面積(スパッと横に切ったところの面積)で決まると言われているので、面積を大きくすることが必要なのです。

ただ、皆さんテニスプレイヤーはボディビルダーになりたいわけではないので、適度に筋肥大させるのがポイント。

毎日筋力トレーニングを実施したところで効果が出るわけではありませんし、1日に2回も3回も行う必要もありません。

初期段階での適切な頻度は、週に2~3回。

週に1回しかテニスをしていないからといって、2週間に1回しか筋力トレーニングをしない、ではずっと体が適応しないままです。

そのため、ジムやパーソナルトレーニングなどで体に負荷をかけるようなトレーニングを週に2~3回実施がオススメです。

1つのトレーニングで1回あたり必要な回数や負荷は、筋力トレーニングで適応させたい能力と目的によって変化させます。

また別の記事でご紹介しますね。

テニスと筋力トレーニングの効果的活用法

筋力トレーニングでテニスに必要な能力を効果的に向上させるためには、段階的なトレーニング計画を立てる必要があります。

最初のステップはその人の体の状態によって異なりますが、まずは体のアンバランス、過度な緊張状態を取り除くことから始める方がほとんど。

適切な筋力トレーニングによってテニスに必要な筋力や筋パワーが向上するのは間違いありません。

しかし、筋力トレーニングだけを行っていても、筋力のアンバランスや体の過度な緊張を生み、基盤である姿勢が崩れたり、神経機能が適切に働かなくなる可能性があります。

そのため、姿勢や可動域など、テニスに必要な体の基礎を改善してから筋力トレーニングの実施がオススメ。

正直、同時並行での機能的な体づくりは難しいため、段階的なトレーニングプログラムを実施が必要です。

そのためには、体の現状を知る必要がありますので、パーソナルトレーニングがオススメというわけです。

実際に、RPSパーソナルテニスに通われているお客様は、ジムでのパーソナルトレーニングとテニスレッスンを併用して通って頂いています。

最初は体の不調が原因でパーソナルトレーニングに通い始めた方が、今は健康のためにジムでのパーソナルトレーニングとテニスのプライベートレッスンのプランに通って頂いている方もいらっしゃいます。

また、テニスの試合で勝つためにパーソナルトレーニングとプライベートレッスンを並行して通って頂いているお客様もいらっしゃいます。

上級者・中級者・初心者といったテニスレベルに関わらず、皆さん共通して実施して頂いているのです。

トレーニング上級者になると、プライとメトリクストレーニングという大きな力を一気に発揮するトレーニングも実施できます。

あわせて読みたい
コート・プライオメトリクス 【プライオメトリクストレーニングとは】 プライオメトリクスは、スピードを出すための筋力や1回で大きな力を発揮する能力など、様々な運動機能を向上させるためのトレ...

コートで実施するプライオメトリクスは、トレーニング後のテニスの練習に良い影響を与え、パフォーマンスアップを目指す方にはとても重要です。

ただ、それ相応に体に負担もかかりますので、ご紹介した筋力トレーニングで体をつくっておく必要があります。

適切なトレーニングプランと体のプロ目線からの客観的視点でのトレーニング指導は、テニスのパフォーマンスを上げるためにも、怪我をせずテニスを楽しむためにも重要です。

テニスと効果的な筋力トレーニング まとめ

筋力トレーニングは、テニスレベルや目的問わず、テニスをする全ての人に必要な運動です。

筋力トレーニングを適切に行えれば、テニスに必要な筋力や筋パワーを上げられます。

その適応により、今まで追い付かなかったボールに追いつけるようになったり、ボールのスピードが上がる可能性があります。

また、テニス中のあらゆる動作で全身にかかる負担に抵抗できる体をつくれるため、怪我の予防にも繋がります。

テニスを楽しむ人、パフォーマンスを上げたい人にとって必須なのが筋力トレーニングなのです。

そして、この筋力トレーニングは、適切なプログラムを組むことで最大の効果を発揮します。

テニスをしている多くの方が筋力のアンバランスやそれに伴う姿勢の崩れ、体のスムーズな動かし方ができない、などの問題を抱えています。

それらの問題を抱えたままで筋力トレーニングを行っても最大の効果は発揮できず、反対に怪我をしてしまう可能性まで出てくるのです。

体の状態を把握し、自分に今何が必要なのかを理解した段階的なトレーニングプログラムの実施が、テニスのパフォーマンスに直結します。

そのためにRPSのパーソナルトレーニングとプライベートレッスンがオススメです。

ご興味のある方は、是非一度、トライアルレッスンへお越しくださいませ。