股関節、ちゃんと使えていますか?
テニスにおいて、股関節を動かすことができることは特に重要です。
練習前の適切なウォームアップやクールダウンでも、股関節の柔軟性・可動性を上げることはできます。
が、日常生活によって体の偏りが誰しも出てきてしまうので、テニスで怪我をしない、パフォーマンスを上げるには、自宅でのケアが必須。
自宅やジムでのストレッチは、テニスで最大の可動域を使い、力強いボールを打つためにも、素早く動くためにも役立ちます。
そこで、今回の記事では、自宅やジムで取り入れられるテニスに必要な股関節のストレッチについてご紹介していきます!
- テニスに股関節のストレッチが必要な理由
- テニスに効果的な股関節のストレッチ
それでは、まず簡単に股関節のストレッチが大事な理由から説明していきます!
「そこは知っているよ!」という方は、先に読み進めて実践に入ってみてくださいね。
テニスに必要な股関節のお勉強
そもそも股関節ってどこなん?
ここをサッと説明していきますので、既にご存知の方は次に進んでくださいね。
股関節は、骨盤と大腿骨という脚の大きな骨で構成される関節です。
そして、この股関節にはおしりや太ももなど、走る、加速する、減速する、止まる、切り返すなどテニスに必要なあらゆる動きを行う大きな筋肉がついています。
そして、これら筋肉を使って、脚を曲げる、回す、後ろへ引く、開く・閉じるなどの様々な動きを行います。
テニスに必要なあらゆる脚の動きを行ってくれるのが、この股関節です。
重要な関節であることを覚えておきましょう。
テニスに股関節のストレッチが必要な理由
皆さん既にご存知かもしれませんが、テニスに股関節のストレッチが大事なのは、以下のような効果があるからです。
- 早いスイング、力強いショットの獲得
- 足首や膝、腰など、体の痛み予防
- 手打ちの防止
- エコな体の使い方の習得(楽に長く打ち続けられる)
- 素早い切り返し
etc…
すごーく大事なことなので、ここはしっかり説明させて頂きますね。
速いスイング、力強いショットの獲得
素早いスイング動作のためには、上半身だけでなく下半身の踏み込みが必要になります。
要は、重心移動の際に股関節をうまく使えているかが肝というワケです。
例えば、右利きの方がフォアハンドで打ち込む際には、右の軸足に体重を乗せて、最後は左側に体重を移動させます。
右から左に移動する際に上半身が一緒に回り、ラケットがついてくるというイメージです。
腕を素早く動かそうとするだけでは、スイングスピードにもボールに力を伝える能力にも限界があります。
そのため、股関節のねじれや回旋という回す動きを使うことで、全身の筋肉を使った大きな力で素早いスイングを行うことができます。
テニス、特にフォアハンドスイング時の体の動きはこちらの記事でご紹介しています。
気になる方は寄り道してみてくださいね。
足首や膝、腰など、怪我や体の痛み予防
股関節が使えないことによって、足首や膝、腰など、様々な部位の痛みや怪我につながります。
股関節は動きながらも安定させなければならない関節の一つ。
人間の関節は、安定させる関節、動かす関節が交互に合わさってできていますが、これをjoint by joint セオリーと言います。
股関節の下にある膝は安定させた方が良い関節で、股関節は動かした方が良い関節です。
これが逆転していると、安定させなければならない膝周辺の筋肉や靭帯に過度な負荷がかかり、痛みが出たり怪我につながるというわけです。
そのため、股関節のストレッチで適切に動かせる範囲を獲得しておくことが怪我や痛みの予防につながる、ということです。
痛みが出たからといって、その部位に直接アプローチしても改善は難しい可能性があります。
手打ちの防止
手打ちを防止するためには、股関節を適切に使う必要があります。
テニスでは、足首⇨股関節⇨上半身⇨腕の順番で力が伝わっていきます。
(速いスイング、力強いショットの獲得の画像をご覧ください。)
股関節が使えることで、おしりや太もも、体幹周りの大きな筋肉を使ってラケットをスイングできます。
結果、腕の力だけで打つ手打ちを防止でき、体全体を使ったスムーズなスイングの実現につながります。
エコな体の使い方の習得
テニスは打ち続けるスポーツです。
相手が上手くなればなるほど、ボールは返ってきます。
常にガチガチで100%の力で打っていては、後半持ちません。
でも、できるだけ強いボールで返球しないと、相手に取られてしまう。
そう考えると、できるだけ大きい筋肉のついている関節をたくさん動かすことが堅実的でしょう。
そのためにストレッチが必要な方もいます。
股関節には、おしりや太ももなど、人間の体の中でも特に大きい筋肉がついていましたよね?
股関節周りの筋肉よりも小さい腕の筋肉メインでラケットをスイングし続けるのは大変ですので、股関節など大きな筋肉を使って全身でスムーズに打つ必要があります。
股関節のストレッチのみで手打ちの予防になるとは言い切れません。
しかし、股関節に必要な可動域を持っていない方がスムーズな打ち方を最適に獲得しているとは言えないのではないでしょうか。
股関節のストレッチによって、適切な柔軟性を獲得し、その後のトレーニングで可動域を向上させることで、エコな体の使い方を習得することにつながります。
素早い切り返し
相手のボールに反応して、素早く切り返すことでボールに追いつく回数が増え、よりたくさんのラリーを楽しんだり、ゲームを有利に運んだりできます。
素早い切り返しには、股関節の適切な可動域が必要です。
例えば、テニスで主に使うことが多い「スプリットステップ」。
スプリットステップでは、ストレッチショートニングサイクル(伸張-短縮サイクル)という体のバネを最適に使う能力を上手く利用して、素早く動きます。
着地時にかかる大きな負荷をバネとして利用して素早く動く能力です。
股関節が安定していないと膝がぐにゃっと内側に入ったり、脚が外に開いてしまうことで地面からの反力をうまく上半身に伝えられず、素早く動くことはできません。
安定性は最適な可動域があることで生まれます。
ストレッチの種類にもよりますが、適切な股関節のストレッチを行うことで、股関節の可動域を獲得でき、安定性の向上につながるでしょう。
よって、素早い切り返しの基盤として、股関節のストレッチは必要ということになります。
ストレッチショートニングサイクルや、ストレッチの種類などはまた別記事でご紹介しますね。
テニスに効果的な股関節ストレッチ
それでは、テニスに効果的な股関節のストレッチをご紹介していきます。
今回は、テニスの後やテニスをしていない時間、トレーニングの前に行うストレッチをご紹介していきます。
ストレッチでも、練習前と練習以外で目的が異なりますので、練習前のストレッチはこちらの記事をご覧ください。
おしりのストレッチ
テニスをしている人の多くが、おしりの筋肉が発達しています。
走る、止まるなど股関節に大きな負荷をかけるためですね。
ここも固まってしまうと、膝や腰の痛みの原因につながります。
- 四つ這いになる。
- 片方の脚を外に開きながら内側に入れる。
- 反対脚を後ろへ引いて肘付きの四つ這いになる。
- おしりの伸びを感じたら30秒キープ。
- 左右3〜4セットずつ行う。
太もも前のストレッチ
大腿四頭筋という太もも前の筋肉を伸ばしていきます。
走って止まる時に使われる筋肉です。
ここもなかなかカチカチな方が多く、腰や膝の痛みにもつながりますので、家でストレッチしてみてくださいね。
- 片膝立ちになる。
- 後ろ足首を反対側の手で持ち、前のめりになる。
- 少し上体を起こして腰を丸め、太ももの前をストレッチする。
太もも横のストレッチ
主に大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)という筋肉を伸ばします。
ここ、カチカチになっている方が多いのですが、膝や腰の痛みにつながってしまうので、定期的に伸ばしてください。
特に、太ももの外側がカチカチになっている方にはオススメです。
- 仰向けに寝て膝を曲げ、片方の足首を反対脚の膝に乗せる。
- 足首を乗せた方の足を反対に倒し、膝を外に開く。
- じんわり伸びるところで30秒キープして元に戻す。
- 上記を3〜4セット繰り返す。
ハムストリングスのストレッチ
ハムストリングスのストレッチもご紹介します。
アクセル筋と言われる太もも裏のハムストリングスですが、テニスやランニングなどあらゆるスポーツでは着地前の減速時に使われます。
付着している部位がふくらはぎの筋肉と交わっているので、ふくらはぎの筋肉と一緒にストレッチする方が効果的でしょう。
- 膝立ちになり、片足を前に出しておしりを後ろのかかとにつける。
- 膝を伸ばして足首を曲げ、同じ側もしくは反対の手でつま先を持つ。
- ふくらはぎ〜ハムストリングスのストレッチを感じたまま30秒キープ。
- 左右3〜4セットずつ行う。
股関節の動きをつくるストレッチ
今度は股関節の動きをつくるストレッチです。
このストレッチは、股関節の筋肉を強化するトレーニングなどの前に活躍します。
特に、スクワットなどのスポーツに必要な基本的な動作前に活用できますので、ジムや自宅でトレーニングしている方は、その前に取り入れてみてくださいね。
- 脚を卍の形にして座る。
- 足(足首周辺)は床につけたまま、両脚を反対側に倒す。
- そのまま膝立ちになる。
- 再び座り、反対側も同様に行う動きを1分間繰り返す。
テニスに効果的な股関節ストレッチのまとめ
今回は、テニスに効果手にな股関節のストレッチについてご紹介しました。
股関節のストレッチは、全身を使った大きく力強いショットを打つためにも、怪我を予防するためにも必要です。
特に、テニスをしていない時の時間の「ケア」として必須。
テニスを続けることで股関節の特定の筋肉を過度に使うようになったり、左右差が出たりします。
その状態のままでは、パフォーマンスに悪影響を及ぼすばかりか、痛みや怪我につながる可能性があるのです。
ご自宅での簡単なストレッチから行うことで、それらを予防することができます。
今回ご紹介した股関節のストレッチをまず家で実践して、股関節をテニスに最適な状態に保つことから始めていきましょう。
また、RPSパーソナルテニスでは、テニスに必要な身体機能を鍛えることができるパーソナルトレーニングとプライベートレッスンを行っています。
ご興味のある方は、是非体験レッスンへお越しくださいませ。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!