【テニスと腰のストレッチ】体ガチガチ腰痛さんオススメ!

テニス後 腰 ストレッチ

テニスの後、腰がガチガチに固まって、放っておくと痛くなる、という方は少なくないでしょう。

テニスでは、腰を丸めたり反ったり、回してラケットをスイングし、ボールを返します。

それも速いスピードでそれらの動作を行うのですから、言わずとも少なからず腰へ負担がかかっていることはお分かりではないでしょうか。

トレーニングなどでいくら体の使い方が良くなっても、テニス後には腰回りを直接ストレッチしたり、腰に関連する筋肉などを酢値レッチする必要があります。

また、自宅でのホームケアでテニス後に腰が痛くなるような体のアンバランスを解消するストレッチを補助的に行う必要があるのです。

そこで今回は、テニス後に腰が痛くなったり張ったりする方に向けて、テニス後にすぐできる腰回りのストレッチと、ホームケアとして自宅で行える腰ストレッチについてご紹介します。

目次

腰の構造

まずは、腰の構造から確認していきます。

腰は、腰椎(ようつい)という背骨の一部分。

腰椎は、5つの背骨が連なってできていて、基本的には後ろへ反っているのが正常です。

腰椎

そして、この腰椎は反る丸まる動きが得意であり、横に捻る動きは苦手です。

画像の上にある胸椎が捻る動きが得意なため、テニスにおいては胸椎がいかに回るかが重要となります。

また、腰椎には股関節の筋肉や背中のインナーマッスルなど、様々な筋肉がついています。

股関節の筋肉

テニスでの素早い動きや力強いショット、そして、テニス後に腰の痛みを出さないために鍛えておかなければならない筋肉がたくさんあります。

テニス後に腰が痛くなる原因

続いて、テニス後に腰が痛くなったり、ガチガチに張ってしまう原因について。

テニス後に腰が痛くなるのには、いくつかの原因が考えられます。

テニス後に腰が痛くなる原因
  • 腹筋を使ってスイングできていない
  • 肋骨、胸椎を回してボールを打てていない
  • 股関節を使ったスイングができていない
  • 背中での動作が主軸でスイングしている

他にも考えられる原因はありますが、主にはこれらが主要因です。

あらゆるシチューエーションで継続的に腰へ負荷がかかり、痛みが出てしまっていることが考えられるため、どの原因が一番の引き金となっているのかは人によって異なります。

腹筋を使ってスイングできていない

腹筋を使ってスイングできていない、というのは体幹が安定していない、という意味合いで捉えていただければと思います。

体幹は頭と手足を除いたすべての部分です。

体幹 骨格

つまり、背骨や骨盤、肋骨など体に中心部分にある体を安定させるための主要部位です。

体幹には背筋の筋肉もついていますが、経験上では体幹の中でも腹筋<背筋のアンバランスになっている方が多く、腰や背中といった背面の筋肉をメインに使っている方が多いです。

腰や背中の筋肉は、腰を反らせる働きがあります。

腹筋と背筋の働き

元々反っている腰の骨を過度に反らすことは、腰回りへストレスを加えていることになります。

腹筋は、急激かつ過度に腰の骨が反るのをガードし、テニスのサーブやストローク時の腰にかかる負担を軽減してくれます。

そのため、腹筋が使えていないと腰回りの筋肉ばかりを使ったスイングになり、テニスの後に腰が痛いという症状が出やすくなります。

肋骨、胸椎を回してボールを打てていない

肋骨は聞いたことがあると思いますが、胸椎(きょうつい)は聞いたことありますか?

胸椎は、背骨の一部で胸にある区画の背骨です。

胸椎、肋骨

胸椎は12個あり、腰の骨の上にあります。

そして、この胸椎に肋骨がトリカゴのようにくっついて、内臓を守ったり、呼吸に関わったりしています。

そんな胸椎と肋骨は、「回る」のが得意な関節です。

反対に腰にある腰椎(ようつい)は回るのが苦手な関節。

胸椎や肋骨が回らない方は、代わりに腰椎を過度に回してラケットをスイングしようとします。

関節の構造上、腰椎は回りづらい(5個で5〜10度)ため、「腰回せ」はアウトです。

腰椎 回旋 回りづらい

胸椎や肋骨が回らない原因は、背中の筋肉が頑張りすぎていたり、腹筋が使えていないこと。

結果として、胸椎ではなく腰椎が回ってしまい、テニスの後に腰回りが痛くなっている可能性が考えられます。

胸椎や肋骨の柔軟性とテニスのパフォーマンスについては、こちらの記事をご覧くださいませ。

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股関節を使ったスイングができていない

実は、股関節も腰椎に大きく関わります。

股関節はこれです。

股関節

腰の骨である腰椎は、最終的に仙骨(せんこつ)、尾骨(びこつ)という骨で骨盤を構成しています。

骨盤は、脚の骨である大腿骨と股関節をつくっています。

つまり、股関節と腰椎は切っても切り離せない関係ということ。

前述のように、腰や背中の筋肉が頑張りすぎることで腰椎が過度に反ってしまいます。

この頑張り過ぎは、本来動かなければならない関節が動いていないために起きることです。

胸椎や肋骨同様に、腰椎と密接に関係のある股関節が動いていないことで、腰椎が頑張りすぎて痛みが出るというメカニズムです。

具体的には、太もも前や外側、ふくらはぎが発達気味で、股関節を内側に回す動きが苦手な方は、テニス中に腰への負担がかかりやすくなります。

背中での動作が主軸でスイングしている

これも腹筋との関連性がありますが、主体が背中の筋肉となると腰が反る方向へ促されるため、痛みが出やすくなります。

そのため、背中での動作が主軸となっている人は、腹筋>背筋のバランスに整えてからテニスに望みましょう。

もちろん、腰痛がある方は、腰椎が必ずしも過度に反っているとは限りませんが、過度に反っているがために痛みが出ている方も少なくありません。

特にテニスでは、サーブやストロークで大きな力を出すために、背筋や腰の筋肉を使いがち。

そのため、背中での動作が主軸となった打ち方になりやすいでしょう。

ストレッチしたい腰回りの筋肉

テニス後にストレッチしてあげたい腰回りの筋肉は以下です。

テニス後にストレッチしたい腰回りの筋肉
  • 広背筋
  • 脊柱起立筋
  • 腰方形筋

それぞれの筋肉の働きとストレッチが必要な理由についてご説明していきます。

広背筋

広背筋

広背筋は、テニスでも特に使われる腰・背中の筋肉です。

骨盤〜腰椎、胸椎、上腕骨という腕の骨にまでついている幅広い筋肉で、背中や腰を反らしたり、腕を手前に引く働きがあります。

テニスにおいては、ストロークでのラケットを持っている手と反対の手を手前に引いてスイングスピードを上げたり、サーブ時のトスアップ前後で伸び縮みして力を蓄えるような働きがあります。

このように、テニスのあらゆる場面で使われやすいため、過度に働いていて固くなっている方が多いのが現状です。

脊柱起立筋

脊柱起立筋

脊柱起立筋は、骨盤から背骨全体にかけてついている長い筋肉です。

棘筋(きょくきん)、最長筋(さいちょうきん)、腸肋筋(ちょうろくきん)の3種類から構成されています。

それぞれ、背骨を反らす働きがあり、同時に側屈という体を横に曲げる働きがあります。

側屈の画像

テニスにおいては、横に動いてボールを取りに行く時やサーブでのトスアップ時など、あらゆる場面で使われる動きです。

脊柱起立筋は、側屈でも背骨を反らしながら体を横に倒す動きがメインとなるため、サーブでインパクト後に体を前に曲げる動きや、ストロークでのフォロースルーで体を捻る妨げになる可能性があります。

広背筋同様に過度に緊張しやすい筋肉のため、しっかりとストレッチしておきたい筋肉です。

腰方形筋

腰方形筋

あまり聞きなれない名前の筋肉なのではないでしょうか。

「腰方形筋=ようほうけいきん」と読みます。

ついている場所が骨盤〜腰椎の横に飛び出している突起(横突起:おうとっき)で、体を横に曲げたり(側屈)、骨盤を上に持ち上げる働きがあります。

例えば、右利きの人のサーブトスアップ時では、右の腰方形筋や脊柱起立筋によって体を右斜めに傾けながら重心を後ろ足に乗せていきます。

その後、右側の腰方形筋や脊柱起立筋などが伸びながらインパクトに向かっていき、体を左側に捻ります。

この時に、腰方形筋が硬くなっているとインパクトに向かう際に体を左側へ回すことができず、体重をボールに乗せることができません。

また、背中を丸めることができずに腹筋を使えないため、腰の痛みにつながる可能性があります。

腰方形筋もストレッチしておきたい腰の筋肉の一つと覚えておきましょう。

テニス後の腰回りストレッチ

伸ばしておきたい腰回りの筋肉がわかったところで、テニス後にすぐできる腰回りのストレッチについてご紹介していきます。

立位/ラットストレッチ

立位ラットストレッチのやり方
  1. 立ったまま壁や支柱に右手を伸ばす。
  2. 左脚を右脚の前にクロスさせ、右側に着く。
  3. 骨盤から体を右側に倒していき、右の脇腹をストレッチする。
  4. そのまま5秒かけて息を吐き、5秒かけて吸う呼吸を3回行う。
  5. 上記を左右2〜3セットずつ行う。

広背筋や腰方形筋をストレッチできます。

立ったままできるため、テニスの後、壁や支柱を使ってすぐに実施できます。

また、自宅でのケアとして気軽に実施できるストレッチですので、試してみてください。

改変/ファンクショナルスクワット

ファンクショナルスクワット
改変/ファンクショナルスクワットのやり方
  1. つかまることができる支柱やフェンスなどの前に立つ。
  2. 両手を伸ばして物を掴み、かかとを床につけたまましゃがむ。
  3. そのままゆっくり呼吸を2分間繰り返す。

広背筋、脊柱起立筋をストレッチできます。

特に、広背筋は硬くなりやすいため、ゆっくり呼吸するように心がけてみてくださいね。

テニス後のストレッチの重要性については、以下の記事で理解を深めましょう。

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自宅でできる腰回りのストレッチ

テニス後のストレッチ実施も重要ですが、ホームケアとして腰のストレッチを行うことはもっと大事。

体のバランスは、テニスのみで崩れるわけではありません。

日常生活での座り姿勢・立ち姿勢、体の動かし方によって変化するため、ホームケアとしてストレッチを行うのがオススメです。

今回は、腰回りのストレッチについてまとめた動画をご紹介します。

是非、youtubeから動画を確認してホームケアとして取り入れてみてください。

腰回りのストレッチとトレーニングの重要性

これまで、腰ストレッチの重要性と具体的な方法についてご紹介してきましたが、実はストレッチのみではテニス後の痛みを改善はできない可能性があります。

冒頭でお伝えしたように、腹筋を使ったスイングができていないことや、そもそも肋骨や胸椎といった回るための主要部位が回らないことなど、動作そのものがNGとなっている結果、痛みが出ている可能性があるためです。

そのため、体の使い方を変えていくトレーニングが必要なのです。

トレーニングとストレッチを併用することで、テニスでの理想的な体の使い方を覚えられます。

ただ、実際にはストレッチではなくトレーニングのみで可能な場合もあり、逆にストレッチの比重を多くしなければトレーニングが推奨されない体の方もいらっしゃいます。

動作のパターンや筋肉のアンバランスを一人ひとり個別にプログラムする必要があるということです。

腰回りのストレッチまとめ

今回は、テニス後に実施できる腰のストレッチについてご紹介してきました。

本来、腰を回して打つという動きは、適切ではありません。

腰に該当する腰椎は捻る動きが苦手なためです。

代わりに肋骨や胸椎といった胸付近がたくさん動く必要があります。

それでも、腰回りには様々なストレスが加わるのがテニスですので、テニス後のストレッチと自宅でのケアが必須。

腰を使う広背筋や腰方形筋、脊柱起立筋などの腰回りのストレッチは定期的に行うようにしましょう。

また、そもそも腰が痛くなる、張ってしまう原因は、股関節や胸椎など他の部位が動かないことや、体の使い方にあります。

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